受け口(下顎前突の矯正)

受け口(下顎前突)とは

下の前歯が上の前歯より前に出ている状態を、受け口と言います。日本人は、人種的に受け口の人が多いという統計が出ています。
「下顎前突」「反対咬合」とも呼ばれます。
ちなみに、正しい咬合(正常咬合)は、上の前歯が下の前歯より2~3㎜前方に位置し、また上の前歯が下の前歯に2~3㎜かぶさっている状態と定義されています。

受け口の原因

受け口の原因は大きく、「骨格」「歯列」「生活習慣や癖」に分類されます。
一般に、骨格に問題がある場合には治療が大がかりになります。

骨格が原因の場合
  • 上顎が小さく後方にズレている
  • 下顎が大きく前に出ている
歯列が原因の場合
  • 上の前歯が後方に傾いている
  • 下の前歯が前方に傾いている
生活習慣や癖などの場合
  • 舌で歯を押す癖
  • 5歳以降の指しゃぶり
  • 爪噛み
  • 口呼吸
  • うつぶせ寝

受け口の治療法

受け口 治療法受け口の治療法は、その原因によって変わってきます。
軽度の場合、下の前歯を後ろに収めるためのスペースが必要となりますが、場合によっては抜歯を行うこともあります。
舌癖(舌で歯を押してしまう等)を原因とする場合、歯や顎には問題がないこともあります。矯正装置により下の前歯を奥に引っ込めながら、舌癖改善のためのトレーニングを行います。
また、顎の大きさや位置が原因となる場合があります。下顎が上顎より大きすぎる、上顎が小さすぎる、下顎が前に出過ぎている、といったように分類されますが、それぞれに合わせた適切な治療法をご用意しております。
こういった顎の大きさや位置に問題がある場合には、外科手術が必要となるケースがあります。下顎を部分的に切り取ったり、顎の位置を動かしたりすることになります。

以上のように、受け口に矯正治療は、ときに手術を伴う大がかりなものになります。しかし受け口の審美的ストレス(周囲からの視線、からかい)は大変なものです。それ故、改善できたときの喜びも非常に大きなものです。当院では、そういったお悩みをお持ちの方が、一人でも多く笑顔になれ、思い切り口を開けて笑える、そんな未来を目指しております。

※下顎前突(下顎が前に出ているケース)の外科手術には保険が適用されますので、お気軽にお問合せください。

受け口についてQ&A

子供の受け口は早くからの治療が必要とききました。何歳くらいに相談すればいいですか?

小児矯正は、一般的に5~6歳頃から開始します。ただ、受け口に関しては骨格(下顎が大きい)が問題になっていることが多いため、3~4歳頃に一度ご相談ください。
受け口は、顎の成長が終わりに近づくほど、治療が難しくなります。早期に対応することで、お子様のご負担も少なくなります。

受け口を治すことには、どのようなメリットがありますか?

受け口は、歯並びだけでなく顔貌への影響も大きいタイプの歯並びです。治療により、そういったコンプレックスを解消したり防いだりすることができます。また、他の歯並びの乱れにも言えることですが、噛み合わせの改善によって、正しく咀嚼することができますので、胃腸への負担が軽減されます。虫歯・歯周病のリスクも抑えられ、歯の寿命の延伸が期待できます。

子供の受け口が自然に治ることはありますか?

他の歯並びの乱れを含め、子供の場合は顎の成長、永久歯への生え替わりによって歯並びが自然に治るということはあります。ただ、その場合も必ず定期的に歯科医院を受診し、経過観察を行わねばなりません。保護者様の判断で「もう自然には治りそうにないから、そろそろ一度受診してみよう」と受診していては、ベストタイミングを逸してしまう可能性があるためです。

子供の受け口が自然に治る可能性は、どれくらいなのでしょうか?

受け口が自然に治る確率は、5%ほどと言われています。これは、他の歯並びの乱れを比べてもかなり低い数字です。
「自然治癒するかもしれない」という期待をしたとしても、必ず歯の専門家である歯科医師に相談するようにしてください。

受け口は遺伝するのでしょうか?

歯の大きさ、骨格などは、親から子へと遺伝します。つまり、受け口などの歯並びの乱れも、一定程度の遺伝性があると言えます。
環境要因の影響もありますが、ご両親またはどちらかが受け口である場合には、お子様が受け口ぎみになっていないか注意しておき、気になったときにはすぐに受診されることをおすすめします。もちろん、そういった兆候のない段階からご相談いただき、経過を観察していくのが理想的です。

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