口ぽかん(開咬の矯正)

口ぽかん(開咬)とは

開咬とは開咬とは、奥歯を噛み合わせたときに、上の前歯・下の前歯のあいだに、垂直方向の空間がある歯並びの乱れを指します。簡単に言うと、歯を噛み合わせているのに、前歯が閉じないような状態です。
開咬は、口腔だけでなく、顎関節、胃腸などに悪影響を及ぼすことがあります。

口ぽかん(開咬)の原因

開咬の原因は大きく、「骨格」「歯列」「生活習慣や癖」に分けられます。

骨格が原因の場合
  • 下顎が本来より後下方に位置している
  • 下顎が長い
歯列が原因の場合
  • 上の前歯が前方に傾いている
  • 下の前歯が前方に傾いている
  • 前歯の萌出度が低い(歯冠部が短い)
生活習慣や癖などの場合
  • 5歳以降の指しゃぶり
  • 舌で歯を押す癖
  • 口呼吸
  • 頬杖
  • 変形性顎関節症

口ぽかん(開咬)を治療するタイミングは?

1繰り返し虫歯になる、奥歯の歯周ポケットが深くなったとき

開咬によって口腔が乾燥すると、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
また、奥歯には偏った力が加わるため、歯周ポケットの深さを指摘されたときなどは要注意です。

2噛み切りにくいと感じたとき

食べ物を前歯で噛み切りにくいと、よく噛まずに飲み込む癖がついてしまい、胃腸に負担をかけます。
特に麺類をすするときなど、前歯で麺を噛み切れず、不便を感じるようです。矯正治療を受け、お口だけでなく、身体の負担を軽減しましょう。

3発音に支障が出ているとき

開咬によって空気が漏れやすいため、発音に支障をきたすことがあります。
喋ることは毎日のことであり、また一生のことです。できるだけ、治療を受けることをおすすめします。

4顎関節症と診断されたとき

口を大きく開けない、顎が痛い、顎を動かすとカクカク異音がするといった症状を伴う顎関節症が、開咬などの歯並びの乱れを原因として起こることがあります。
顎関節症の原因にはそれ以外にもさまざまなものが存在しますが、歯並びを改善することで、症状の軽減が期待できます。

開咬をほっておくと怖い・・リスクについて

開咬をほっておくと怖い・・リスクについて

  • 虫歯・歯周病のリスクの増大
  • 口呼吸が治らない
  • 偏った負担がかかることによる、早期の奥歯の喪失
  • 発音への支障

口ぽかん(開咬)の治療法

当院では開咬に対する以下のような治療を行っております。

ブラケットワイヤー

ブラケットワイヤー金属のブラケットとワイヤーを使い、開咬を改善します。
口を開けたときには目立ってしまうのが難点ですが、高い矯正力が期待できます。

審美ブラケットワイヤー

白またはクリア色のブラケット、白いワイヤーを使用することで、装置が目立ちにくい矯正方法です。
歯を動かす力については、通常のブラケットワイヤーと変わりません。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)

マウスピース型矯正装置(インビザライン)マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、透明で薄いマウスピースを、1~2週間ごとに交換して歯並びを改善する装置です。
目立ちにくく、食事・歯磨きの際に取り外せることが大きなメリットです。また、一度の調整で大きな力を加えるブラケットワイヤーと比べると、痛みも軽減できます。
アメリカのアライン・テクノロジー社からの提供を受けています。

※インビザラインは完成物薬機法対象外の装置です。医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

マウスピース型矯正装置(アソアライナー)

マウスピース型矯正装置(アソアライナー)は、マウスピース型矯正装置(インビザライン)と同様に、透明の薄い装置です。少しずつ形の異なる装置を交換していくことで、歯を動かします。
型取り~治療開始までは約10日と、マウスピース型矯正装置(インビザライン)よりも、早く治療を開始できます。1つの装置ごとに型取りを行うため、より正確に歯を動かせます。言い換えると、何度も型取りが必要ということであり、そういった意味では患者様のご負担が大きくなります。

※アソアライナーは完成物薬機法対象外の装置です。医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

口ぽかん(開咬)についてQ&A

子供が指しゃぶりをやめられません。開咬の原因になることがあるときいて、心配しています。

歯並びへの悪影響が生じるのは、5歳以降にも指しゃぶりが続いている場合と言われています。お子様にとって指しゃぶりは、心を落ち着かせるための行動でもありますので、それまでであれば無理にやめさせる必要はありません。
やめさせるときには、叱るのではなく、優しい言葉と態度で根気よく声をかけてください。誕生日、弟・妹が生まれたタイミングなどで「もうお兄ちゃんだから(お姉ちゃんだから)、やめようね」と伝えるのも効果的と言われています。

開咬の治療は大変だとききました。治せるものでしょうか?

お子様の場合は、顎の成長をコントロールする治療により、ほとんどは問題なく改善が可能です。
一方で大人の場合、もう顎は成長しませんので、抜歯、外科矯正治療が必要になることがあります。
できるだけお子様のうちに直しておくことが望ましいものの、何歳からであっても、開咬の治療は可能です。

開咬は奥歯を早くに失う原因になるとききました。なぜなのでしょうか?

上下の前歯が正しく機能しないため、必然的に奥歯の負担が大きくなります。偏った力がかかることで、歯・歯茎・顎の骨にダメージが蓄積され、奥歯を早くに失ってしまう可能性が高くなります。

開咬を治せば、顎関節症も改善しますか?

顎関節症の原因には、さまざまなものがあります。歯並びの乱れ以外でいうと、歯ぎしり・食いしばり、ストレス、頬杖、猫背などもリスク要因になると言われています。
開咬だけでなく、他の要因にも目を向けた治療が必要です。

開咬と言われましたが、特に困っていることはありません。本当に治した方がいいのでしょうか?

歯並びの乱れに伴うリスクというものは、なかなかご自身で自覚できません。たとえば、麺を噛み切るのが難しい(他の人と同じように噛み切れない)ということはありませんか? そういった場合には、よく噛まずに飲み込み、胃腸に負担をかけている可能性があります。また、奥歯にも偏った力がかかっているはずです。
虫歯や歯周病のリスク上昇、発音への支障なども起こり得ますので、やはりできる限り、治療を受けることをおすすめします。

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