すきっ歯(空隙歯列の矯正)

すきっ歯とは

すきっ歯とは歯と歯の間に隙間がある状態を指します。「空隙歯列」とも呼ばれます。
乳歯の段階では隙間があるのが普通ですが、永久歯になってもこの状態が続くと問題が起こる可能性があります。

すきっ歯・前歯のすきっ歯の原因

すきっ歯の原因について、ご紹介していきます。

歯の数が少ない・歯が小さい・顎が大きい

生まれつき歯の数が少ない(欠損歯)、歯が小さい、顎が大きいといったことでスペースがあまり、すきっ歯になります。

歯の数が多い

生まれつき歯の数が多い(過剰歯)も、実はすきっ歯の原因になることがあります。過剰歯は、萌出せずに埋まったままであることが多く、これにより他の永久歯が正しく生えずに、すきっ歯になるのです。
過剰歯は、特に上顎の前歯に多く見られます。

上唇小帯の異常

上唇小帯とは、上唇と歯茎をつなぐヒダのことを指します。生後すぐは非常に発達しており、その後徐々に小さくなります。ときどき、この小帯が小さくならず、永久歯の邪魔をしてすきっ歯になるケースが見られます。

歯周病・加齢

歯周病や加齢によって、歯茎は徐々に退縮していきます。これにより、歯と歯のあいだ(特に歯の根元付近)が広くなり、すきっ歯になります。

癖・習慣

舌で歯を押す癖、頬杖、5歳以降の指しゃぶりなどを原因として、すきっ歯になることがあります。

すきっ歯を放置するとどうなる?身体への影響とは?

虫歯・歯周病になりやすい

八重歯 虫歯・歯周病になりやすい食べ物が詰まりやすく、また汚れが溜まりやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

食べづらい・胃腸への負担の増大

八重歯 食べづらい・胃腸への負担の増大長くすきっ歯であるとなかなか気づけませんが、食べ物が詰まる、噛み切りにくい、すり潰しにくいといったことで、食べづらい状態が続きます。
また、十分に細かくできないまま飲み込むことで、胃腸への負担が大きくなります。

喋りづらい

八重歯 喋りづらい歯と歯のあいだから空気が漏れることから、発音に支障をきたすことがあります。
特に、「サ行」が苦手になることが多いようです。

見た目のコンプレックス

八重歯 コンプレックスすきっ歯であることに見た目のコンプレックスを抱いている方は少なくありません。
子供の頃には気にならなかったのに、大人になってまわりとの違いが気になるようになった、というケースが目立ちます。

すきっ歯の治療法

ページ冒頭で申し上げた通り、乳歯列期にはすきっ歯であるのが正常です。その後、永久歯への生え変わりによって、ほとんどの場合はすきっ歯が治ります。
ただ、永久歯列期のすきっ歯は、さまざまな問題を引き起こす可能性があるため、お早目に当院にご相談ください。

当院の治療法

当院では、以下のような装置を使い、すきっ歯を治療しています。

ブラケットワイヤー

金属のブラケットとワイヤーを使用して、すきっ歯を改善します。
口を開けたときには目立ってしまいますが、高い矯正力が期待できます。

審美ブラケットワイヤー

白またはクリア色のブラケット、白いワイヤーを使用することで、目立ちにくくした矯正方法です。
通常のブラケットワイヤーと矯正力に違いはありません。

舌側矯正

ブラケットとワイヤーを、歯の裏側に取り付けて歯を動かします。口を開けても装置が見えず、審美性に優れた矯正方法と言えるでしょう。また、装置が常に唾液に触れていることで、虫歯リスクの上昇を防いでくれるというメリットもあります。
治療期間は、表側矯正とほとんど変わりません。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、少しずつ形の違った透明で薄いマウスピースを交換していくことで歯を動かす、目立ちにくい矯正装置です。
1回の調整で大きな力をかけるブラケットワイヤーと比べると、痛みも抑えられます。
アメリカのアライン・テクノロジー社で製造される装置です。

※インビザラインは完成物薬機法対象外の装置です。医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

マウスピース型矯正装置(アソアライナー)

マウスピース型矯正装置(アソアライナー)は、マウスピース型矯正装置(インビザライン)と同様の透明で薄いマウスピース型の矯正装置です。東京のラボで製造しています。
型取り~治療開始までは約10日と、マウスピース型矯正装置(インビザライン)よりも早く治療を開始できます。また、装置ごとに型取りを行うため、より正確に歯を動かすことができます。ただ、型取りを何度もしなくてはならないという意味では、1回の型取りで済むマウスピース型矯正装置(インビザライン)よりも患者様のご負担は大きくなると言えます。

※アソアライナーは完成物薬機法対象外の装置です。医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

すきっ歯についてQ&A

子供がすきっ歯なのですが、治療をした方がいいのでしょうか?

乳歯列期は、すきっ歯であるのが正常です。永久歯(永久歯は乳歯より大きくなります)へと生え変わることでスペースが埋まり、多くのケースですきっ歯が解消されます。ただ、そうならないケースもありますので、できるだけ定期的に歯並びを診てもらうようにしましょう。

大人になってからすきっ歯になるということもあるのでしょうか?

あります。加齢・歯周病などによって歯茎が下がったり、どこかの歯を失ったまま放置することでスペースが余るなどして、大人になってからすきっ歯になるケースは少なくありません。

歯を削ったり、抜歯をしたりといったことはありますか?

すきっ歯は、スペースが余っていることで起こる歯並びの乱れです。
そのため、矯正治療に際し、歯を削ったり抜歯をしたりといったことはありません。こういった処置は、スペースが不足している場合に行うものです。

部分矯正でも治せますか?

隙間があるのが前歯だけであり、奥歯の噛み合わせに大きな問題がないようでしたら、部分矯正の適応となると考えられます。
まずは一度、ご相談ください。

できるだけ目立たない装置で治したいのですが、可能ですか?

当院では、マウスピース型矯正装置(アソアライナー・インビザライン)、舌側矯正といった目立ちにくい装置をご用意しております。また、表側矯正においても、白またはクリア色のブラケット、白いワイヤーを使うことができます。
安心してご相談ください。

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