口ゴボ(くちごぼ)の矯正

口ゴボ(くちごぼ)とは

口ゴボ(くちごぼ)とは口ゴボとは、唇を閉じた状態で、横から見たときに口元がポコッと盛り上がっている状態を指します。顔貌の美しさにはさまざまな定義があり、一概に決められるものではありませんが、口ゴボはその基準の1つである「Eライン」とは逆の状態です。
実際に、口ゴボにお悩みになっている方は少なくありません。多くの人が「口ゴボ=治せない」と思っているようですが、実はその原因に歯並びが関係しており、矯正治療による改善が可能です。

Eラインとは

Eラインとは顔を横から見たときに、鼻の先端と顎の先端を結んだ直線から、唇が少し引っ込んでいる(唇が直線に触れない)ラインのことを指します。「エステティックライン」とも呼ばれます。

口ゴボの原因

口ゴボの原因となっていることが多いのが、「上顎前突」と「上下顎前突」です。
上顎前突とは、いわゆる出っ歯のことです。上の前歯が、下の前歯より大きく前方に突き出しています。
上下顎前突とは、上顎・下顎の両方が前方に突き出している歯並びのことを指します。

先天的要因
  • 上顎または上下顎が前方に出ている
  • 歯が大きい
後天的要因
  • 口ゴボの原因 後天的要因5歳以降の指しゃぶり、舌で歯を押す癖、口呼吸などの癖によって、上の前歯または上下の前歯が前方に傾いている

口ゴボによる見た目や身体への影響とは?

見た目のコンプレックス

口元がポコッと出ていることで、鼻下が長く見えたり、鼻が低く見えたり、顎が引っ込んで見えるということがあります。
また、口を開いたときに歯が大きく露出する、歯茎が見えるといったこともあります。

虫歯・歯周病リスクの増大

口ゴボの人は、自然に口を閉じづらく、口腔が乾燥しがちです。これにより唾液の自浄作用が低下し、虫歯・歯周病のリスクが増大します。

噛めない・胃腸の負担の増大

前歯が十分に機能せず、食べ物を噛み切ることが難しくなります。結果、食べ物を飲み込む癖がつき、胃腸への負担が増大することもあります。

顎関節への負担が大きくなる

上顎前突、上下顎前突によって噛み合わせが乱れていると、顎関節への負担が大きくなります。
これにより、顎関節症へと進展することもあります。

治療法

口ゴボの原因が上顎前突、上下顎前突にある場合、当院では主に以下のような装置を使ってその改善を行います。

ワイヤー矯正(表側・舌側矯正)

ワイヤー矯正(表側・舌側矯正)金属のブラケットとワイヤーを用いて歯を動かす矯正方法です。当院では、装置を歯の表側に設置する表側矯正と、歯の裏側に設置する舌側矯正に対応しています。
表側矯正は、装置が目立ってしまうという難点があります。メリットとしては、幅広い症例が適応となること、実績豊富で信頼性が高いことがあげられます。
舌側矯正は、装置が目立たず、かつ表側矯正と同等の効果が期待できます。ただ、対応している歯科医院は多くありません。

マウスピース矯正装置(インビザライン)

マウスピース矯正装置(インビザライン)薄い透明のマウスピース型の矯正装置です。口を開けても装置が目立たず、食事・歯磨きの際には取り外すことが可能です。また、微弱な力を持続的にかけていくことで歯を動かすため、1回の調整で大きな力をかけるワイヤー矯正と比べると、痛みが抑えられます。
一方で、1日20時間以上の装着が必要です。これが守れない場合には、おすすめできません。
アメリカのアライン・テクノロジー社で製造する矯正装置です。

※インビザラインは完成物薬機法対象外の装置です。医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

口ゴボ(口ゴボ)についてQ&A

口ゴボとは、どういう状態のことですか?

口元がポコッと盛り上がっている状態を指します。多くは、上顎前突、上下顎前突という歯並びの乱れを原因として起こります。
横顔の美しさの基準の1つである「Eライン」とは真逆の状態となっており、口ゴボの見た目の問題を気にされている方が少なくありません。

口ゴボは、治した方がいいのでしょうか?

上顎前突、上下顎前突を原因としている場合には、見た目の問題だけでなく、虫歯・歯周病リスクの増大、食べ物をうまく噛み切れない、胃腸や顎関節への負担の増大を引き起こすことがありますので、一度歯科医院を受診した上で、治療を検討されることをおすすめします。

上顎前突、上下顎前突を治せば、口ゴボは改善するのでしょうか?

はい、上顎前突、上下顎前突を治療することで、口ゴボの改善が可能です。どの程度改善するかということについては、もともとの骨格の問題もありますので、個人差があります。
検査を行い、どの程度の改善が期待できるのか、できるだけ詳しくお伝えします。

マウスピース型矯正装置で治療することは可能でしょうか?

はい、当院では、マウスピース型矯正装置(インビザライン・アソアライナー)をご用意しております。もちろん、ブラケットとワイヤーを使ったワイヤー矯正での対応も可能です。
また当院では、ブラケットとワイヤーを歯の裏側に取り付ける舌側矯正も行っています。
さまざまな選択肢がありますので、安心してご相談ください。

口ゴボを自分で治すことはできますか?

舌で歯を押す癖、口呼吸などの癖も上顎前突・上下顎前突、および口ゴボを悪化させる要因です。そのため、そういった癖を改善することで、口ゴボの悪化を防ぐことは可能です。
ただ、改善するということになると、自力ではできません。誤った方法で力をかけると、顎の骨の吸収が進んだり、逆に歯並びが悪化することがありますので、必ず歯科医院で検査・治療を受けるようにしてください。

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